MAJIBANCHの思い出 その4

MAJIBANCH LAST ONEMAN LIVE 【★★★★★】

 

2020年2月14日、ついにこの日が来てしまいました。MAJIBANCHがグループとして6年間の活動を終える日です。小雨のぱらつく渋谷の街へ向かうと会場前にはすでに長蛇の列ができており、開演を待つファンの表情は本当に今日がラストライブなのかな、と思うくらい明るくお祭りムードさえありました。今日は前物販の形式で先に特典会を行った後、本編がスタートという流れ。開場するとフロアではメンバー5人とファンの囲み撮影が始まっていました。それにしてもすごい混雑。しかし、先程の入場列もそうですが常に良心的なファンの方々が公式のアナウンスを拡散したり、時にはそれ以上の動きをみせる場面が何度もありました。その雰囲気も私の気持ちを和らげてくれたのです。私は思い出の品にタオルを購入。そして、フロアで行われている特典会へ向かいますが何とか最後尾にたどり着き、しばし待機です。私はのらくらさんに何と声をかけようか考えてばかりいました。その間、メンバーとファンの交流を遠慮がちにチラ見。程なくして自分の順番に。簡単な挨拶を交わしチェキを撮ってもらうと、のらくらさんが私に「今日、お伝えしなくちゃいけないことがあるんですよ」と一言。そして、私はその数秒後にあっけなく泣き崩れるのでした。(このネタバレは次にいたしますね)

 

特典会後に再入場が始まり、私は普段より少し頑張って前方付近をキープ。回り続けるミラーボールをぼんやり眺めている時間も待ちくたびれる感じがしません。もう、何が起こっても受け入れるし、最後まで笑おう。そんな私の雑感をよそに会場は暗転しました。 入場のSEを聴くのもこれが最後です。

 

ステージに登場した彼女たちに向けられた歓声と拍手。「2020年2月14日のMAJIBANCHをはじめます」背筋が伸びるようなのらくらさんのセリフもこれで聞き納め。そう思うと目頭が熱くなりました。1曲目は「音楽を止めろ」私はこの曲でメンバーがマイクを置く姿を想像していたので、それをあっさり裏切ってくれて嬉しかったです。そして、会場が一気にヒートアップする様子も肌で感じました。「マジカル☆ドリーム」では早くもフロア中央がものすごい状態。序盤から皆が全力です。そして数曲を終えてからは長めのMCタイム。メンバーは二組に分かれ、交代で衣装チェンジ。その間、メンバーは思い出話に花を咲かせます。しーたさんは@JAMの話題。私も予選の映像は何度繰り返し再生したか分かりません。また、メンバーによるちょっとした暴露話も仲の良さがうかがえます。また、初期から考えられないほどのイケメンに仕上がったのらくらさんは女性アイドルからのモテ話を自慢。そして、活動休止を受け少しだけ真面目な話もあり。「まじばんの楽曲をこれから他のグループが歌ってくれることもあります」「ハロコンでJUICE=JUICEが“LOVEマシーン”を歌うのと一緒だよ」と所属グループへバトンを渡しつつ、ファンへの気遣いも忘れないところは流石。

 

メンバーは衣装チェンジを終えるとMC無しで最後まで駆け抜けるような展開が待っていました。まず「デタラメテロリスト」で一旦、空気をリセット。ダンスパートもマイクパスも、しっかりと目に焼き付けました。「才子ちゃんの日常」は歌詞に散りばめられた言葉の毒気と無機質でドライなベースラインに痺れました。サビの部分で整列しながら一斉にジャンプする動きの面白さとは対照的に怒髪天を衝く勢いでがなり立てるのらくらさんが最高にカッコ良かった!また「ハナイチモンメ」のワチャワチャにもこの日、初めて加わることができたこと。そして「FULL COLOR」のハイタッチでもいしゃんに手が届いたことも良い思い出です。セットリストは若干うろ覚えですが、怒涛の展開の中で感じたのは“誰もが楽しめる選曲”だったことです。正直、自分は音源を復習してはいるものの、現場で未聴の曲が山ほどあります。今回、古くからのファンもお久しぶりのファンもラストだから来られたファンも皆が楽しめるようにメンバーが考えた選曲だったように思えます。誰一人置いてきぼりにさせないという気遣い。それを思うと後になってじわじわと効いてきました。

 

ラストの「超↑究極絶対召喚魔法陣」でモミクシャになる最中、ファンの方が涙をこらえながら叫ぶ姿に目がいってしまいました。私も汗だくで隣の人と自然に肩を組み、頭を振りました。全ての曲を終えてステージに立つ彼女たちの表情は本当に晴れやかで清々しく、美しさの集合体でした。惜しみなく贈られる拍手とファンからの「ありがとう!」の言葉。彼女たちもしっかりと、この景色を目に焼き付けていたように思えます。

 

メンバーが去り、ステージが暗転するとスクリーンに彼女たちの軌跡をたどる懐かしい写真が次々と映し出されました。今日の出来事も思い出に変わるんだな、としみじみ思いながら私が知らないMagical ban☆bangやまじばんch時代の6年にわたる歴史を振りかえります。スタッフサイドの感謝の言葉がまじばんの存在感を物語っていました。そして、彼女たちを支えたファンへの心からの感謝の気持ちが先程までの熱気の渦を静かに包み込んでゆくのが分かりました。

 

続くエンドロールはまじばんに関するデータ集で活動を振り返るのですが「ライブ本数795回」「海外公演数11回」「魔方陣でのキスの回数465回」「ななかがライブ後に鏡を見るまでの時間 10秒」などなど、それを見て皆が頷いたり爆笑したり。皆を笑顔にするためのメンバーのアイデアと心遣いが染みました。この時間がとにかく楽しくていつまでも続いてほしいと願いました。「みんなのおかげで幸せなアイドルでした」そのテロップにはファンへの感謝の気持ちが込められていました。

 

照明が着くと自然に拍手が起こり、ブースにいるスタッフさんへも向けられました。帰り際、フロアの落とし物を拾い上げて、持ち主を探すファンの姿。安全ピンの一本に至るまで持ち主を探そうとするファンの方にも感動しました。随所に見られるファンの行動からもまじばんがどれだけ愛されていたのかが分かります。

 

名残惜しいのですが私はエントランスのスタンド花を眺めて会場を後にしました。道玄坂を下る途中、立ち寄ったコンビニで不意に涙が溢れてきました。無事にこの日が迎えられて本当に良かった。短い間だったけれどファンになれて良かった、など。様々な“良かった”で満たされる感覚でした。現地で言葉を交わすことは無かったものの、自分の元までまじばんをつなげてくれたファンの皆さんに感謝しています。本当にありがとうございました。

 

「これからも皆さんの人生、そして私たちの人生は続きます」ライブ中に述べられたのらくらさんの言葉はとても真っ直ぐで今も忘れられません。

 

つづく