MAJIBANCHの思い出 その1

2020年2月14日に活動を休止したMAJIBANCHについて振り返ります。

前進であるMagical Ban☆bangとまじばんchを含め6年に渡る活動にピリオドを打ったライブアイドル。私は最後の6か月間しか彼女たちの活動を見守ることができず、とても残念な気持ちです。この短い期間、自分なりに見たことや感じたことを書き残したいと思います。

 

MAJIBANCHとの出会いは2019年の夏頃に放送された「ROAD TO @JAM EXPO」でした。

深夜、何気なくテレビのチャンネルを回していると大型アイドルフェス「@JAM EXPO」への出場予選の映像が流れおり、ステージに立つ黒いマント風衣装の4人組が歌っている映像が目に飛び込んできました。歌の途中から見始めたのですが、まず驚いたのが4人の立ち姿でした。パフォーマンス中なのに、まるで測ったような等間隔で立つメンバー。即座にリモコンの手が止まったのを覚えています。楽曲はかなりスピード感があり、個々の動きもダイナミックかつ繊細で安定感があります。メンバーはフロアに対するレスなどを行う気配りも見せ、広いステージを最大限に活かしたパフォーマンスにしばらく釘付けになりました。

続く2曲目は先ほどよりも落ち着いたテンポ感のキャッチーな印象。次々とフォームが変化し、流れるような展開を楽しみつつ、メンバーの表情も豊か。サビに登りつめるまでじっくりと盛り上げていくタイプのこの曲で私は何となく、彼女たちの魅力が分かりかけた気がしました。耳に入る歌詞から感じ取れる雰囲気は自分の好みに近いものがあります。そして、間奏部分で激しい振りが入ったかと思うと、おもむろに音がフェイドアウト。するとメンバーがそれぞれ、会場に集まったファンに向けた感謝の言葉を述べはじめたのです。感極まって涙を浮かべる彼女たち。そして再びトラックはフェイドインし、歌の続きが始まりました。一瞬、何が起こったのか分からなまま固唾を飲んで彼女たちを見守ります。号泣手前の状態でパフォーマンスを続けるその姿はかなりの衝撃でした。そして、それに応えるようにフロアにはペンライトが幾つも輝いています。この、あっという間の出来事に私は心を掴まれてしまいました。

どうやら彼女たちの出順がブロックの最後らしく、シーンは結果発表に突入しました。緊張の面持ちで出演グループが壇上に並ぶなか、先ほどのグループはめでたく3位に入選。「まじばんちゃんねる!」なるほど、そのようなグループ名なんだ。そして、この結果が本人たつはかなり予想外だったようで、喜びをひしひしと噛み締めているのがよく分かりました。程なくして発表後、舞台裏でのインタビュー映像に切り替わると驚きと喜びの表情、そして口々に「名前が呼ばれると思わなかった!」と素直な感想が述べられます。心からの感謝の言葉も印象的で緊張が解けた安堵と本選出場が決まったことの高揚感がこちらにも伝わる生の声は強いインパクトを残しました。

短い時間に偶然、目撃することのできたこの映像のおかげで私は彼女たちが気になりはじめました。MAJIBANCHと書いて“まじばんちゃんねる”なるほど。

すぐに彼女たちの名前を検索。私の気になった曲は「NEVER LAND」と知り、その後も繰り返し歌詞を聞き取っては反芻しました。そして、初めて耳にした曲「FULL COLOR」の歌詞にある“チャンネル切り替えてみて”のフレーズも偶然、チャンネルを回した自分が彼女たちに出会うシチュエーションと重なり、ますます気持ちが引き寄せられるのでした。

 

「@JAM」予選のインパクトを残し、私がMAJIBANCHのライブを初めて目撃したのは8月に開催された「3rdワンマンライブ 真璽那美命-マジナミノミコト-」でした。

いわゆる“現場”はかなり久しぶり。しかも、いきなりワンマンに出向いても馴染めるか少し不安もあり。意を決してチケットを購入しました。

当日、渋谷駅を出て早々に迷子になりつつ、SPACE ODDは程よく喧騒から離れた場所にあり、しばし周辺で待機。開演が近づくにつれてかなりの人がフロアに集まってきました。

そして開演と共に迫力ある映像とお腹に響く和太鼓の音。まるで映画が始まるようなオープニングです。そして、ステージに登場したMAJIBANCHの4人はあの時と同じ衣装!次第に会場のボルテージが上がっていくのが分かります。私は遠慮がちなポジションにいたものの、程なくして人波に飲まれかけました。「俺は壁、俺は壁」と唱えながら無事にそれも乗り切り、それはそれで面白かったです。

この日は映像とコラボしたカバー曲の初披露があった他に新メンバー・かりんちゃんのお披露目も行われました。私は予習不足の感もあったことや、あまりの情報量にいろんな意味でモミクシャになりました。

アンコールは5人で歌う「NEVER LAND」。私が最初に好きになった歌です。この時、早くも5人の楽曲として更新されおり、展開の速さに驚かされるばかり。間近で見る彼女たちの力強いパフォーマンスに心から満足していると、次回のワンマンが同じ場所で行われることがアナウンスされる急展開もあり。のらくらさんの「(今日集まってくれた皆が)ひとりも欠けることなく、またお会いしましょう」という言葉の力強さが印象的でした。

終演後の特典会はメンバーと2ショットチェキ。このシチュエーションもかなり久々で列に並ぶことだけでも四苦八苦。私は一番気になっていたのらくらさんの列へ。すると並んでいるファンの会話が聞こえてきます。「のらくらさん、本当に良い人なんだよ!」「優しいんだよね!」など。私に話しかけてくれているわけではないものの、自然と期待も高まります。そして、順番になり緊張しご本人様に歩み寄ると、先程までのバチバチなオーラとは異なる優しい雰囲気ののらくらさんが「もしかして初めてですか?」と声をかけてくれました。「は、はい…」おずおずと2ショット撮影。そして私は限られた時間の中で楽曲の感想などを頑張って伝えることができました(かな?)。初心者の自分に「まじばん(のファン)はいつ始めてもいいんですよ」と応えてくれる優しさが染みました。

あっという間のワンマンライブ。私はすっかり彼女たちの魅力に引き込まれたのでした。

 

つづく